[ 暴走車輛の如く駆け抜けたストレッチャー>>288。
人物の顔形まで克明には見えなかったものの、
揺れる柔らかな金糸は先程確認した人物データと合致。
一瞬の空白の後、ストレッチャーの後を追う。
体調が悪いのか、顔色はまだ良くは無さそうだが>>290。]
君が噂の……おっと、船長様に君は失礼だったかな。
ゴールデン・クルトップ号船長ドロシー・スローンチャ殿。
僕はクレステッド・ティセリウス。
前だかその前だか知らないけど、過去に君の船の
船長だったマーティンの旧友だ。
体調が良くないところ申し訳ないとは思うけど……。
金馬号が今はどのような理念で動き、何を目指しているか。
──そして、マーティンの辿った道を教えて欲しい。
[ 口元を僅かに上げた笑みを浮かべ、一礼。
あくまで礼を失すること無く、微かに厭味を注入し
相手の出方を伺う。
ハーランの言動>>25により金馬は只の野蛮な海賊船に
成り下がったと信じ込んでいる今。
旧友の元船長のことについて触れれば、遠回しに
「既に死んだのだろう?」確認する意味合いも含めて。
伊達に長く生きてはいない。
表情を──心を隠すのも、それなりには。]