― 対赤、火蜥蜴 ―
新王は戦争のない国を目指してる。
そのために戦争を起こす刃となる軍隊をなくしていくつもり。
じゃあどうやって国を守るか――みんなでやろうって話。
自分の身は自分で守れ、なんてキツイこと言ってるつもりはないわ。
みんなでみんなを守り合うのよ。
でも、隣や他所のことまで考えて毎日生活する余裕ないのは知ってる。
それはあたしが何とかする、何年かかるかわかんないけどできるようにする。
戦争しないと戦い方なんて身につかないものだけど、運良く猛獣で試金石にできるわ。
あたしたちド平民でもみんなを守れるんだと証明して――新王に、次の夜明け、見せてやろうじゃないの。
[火蜥蜴が気付いてこちらに向かってくる前に。
全員しゃがみこんで作戦の打ち合わせ、その前に戦いの意義を伝えた。
軍隊をなくし、戦いをなくす国を造る夢を叶えるのを――彼女はこの世界からもう始めていた。]