人狼物語−薔薇の下国

68 Es2nd― 緋の世界に滲む月 ―


薬師 クレステッド

―何処か―

[王の間から去る道すがら、リエヴルを見かけただろうか。その傍にディークが居れば、二人が寄り添っていれば嬉しそうに口元に笑みを刷く。

多分、ここにきて彼に初めて向けた笑顔だ。

子供のころ、熱心に他者を助けようとする彼を尊敬していた。ここにきて、引っ越したと聞いた彼を見た時、驚いたことは言うまでもない。けれど、特にそれについて話すことはなかった。自分も受け入れきれない部分があったから。

自分と彼の接点を知っていたのだろう。足の腱を切った経緯、自ら翔ぶことをやめた経緯を王子は聞くまでもなくしゃべってくれた。

それを聞いたとき、胸に去来したものはなんだろう。
勿論、彼なりの葛藤や苦悩があったことは頭では理解している。
それでも過去に蓋をし、見せかけだけだとしても王子に従う彼に納得できかねるものがあった。

けれど、今、一歩を踏み出そうとしている彼になら。]

 ……どうか、前途に幸があらんことを。

[素直に人として、仲間として、尊敬と烏滸がましいかも知れないが、友情を、心の中で捧げる。*]

(414) 2013/10/13(Sun) 03:09:56 (ハチドリ)

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