[それでもソマリには、「サボってないか」とか、カレルには「進級したか」とか、ごく短い手紙と、あとお決まりのように素朴な焼き菓子が添えられてあった。これが一番だとディークが信じていたためでもあるし、他に思いつけなかった為でもある。多分留年せず卒業しただろう、と。その前提で、ささやかな荷物は時折届いた。荷に住所はなく、差出人は「ディーク・ルーデン」とある。密かな夢があった。いつか──…再会が出来たなら。彼らとそのことをネタに喋って笑って、また手合わせがしたかった]