このままぐるっと廻って2周め行くよッ!
追ってきた敵本体は、逆回りで来る連中とすれ違うときに任せて足止めさせるッ!
[乗ってくれたらだけどね――とは言葉に出さず続けた。
状況は不利だが、楽観的に捉えるならば敵本陣部隊を引きずり回せるチャンスでもある。
このまま塔の周りを周回すれば、逆回りで切り裂いてきた残り半分の手下たちと塔の裏側ですれ違うはず――そこで彼らに敵を足止めさせれば、攻城部隊を孤立させることが可能なはず。
ただあの敵将がそこまで追いかけて来てくれるかとなると――]
あたしは最後尾に下がる、あんたたち先に行きなッ!
先頭は、おまえ!
――さぁ、敵さんついて来なッ!
[周回逃亡のペースメーカーを新たに指名し、隊列の中身を入れ替える。
セルベシア高官の姿をした賊の指揮官が最後尾に登場、時折振り返りつつ背中を見せながら逃げる――自ら釣り餌となった。//]