[シロウ・ファーイーストの件はひそやかに囁かれてはいたが、改めて耳にするのはこれが初めてのことだ。己が祖国に属する事を当然とする彼らにとっては、それは裏切りであり、理解しがたい行動なのだろう。だが傭われた刃であるという事がどういう事なのかを、彼らの方も、恐らくは知るまい。尤も、シロウが己の判断により自らの犯行を自白した――という事実を知れば、傭兵としての彼は首を傾げたであろうが]