……皆、俺もいいか?
さっき、皆視た事無い、て云った黒服の男の事。
俺は確かに視たのに。 あれが本当に幽霊かも知れないのなら。
――――俺が"霊能者"なのかもしれない。
…不安がらないでくれよ?
俺も霊が視れるなんて自覚ないし、そもそもまた視れるかも判らないんだ。
だけど…さっきの話、もう皆に云っちまったし。
黙る理由も、何も無いから…。
[自覚も無く、自信も無い故に、責任は持てない予防線をキッチリと敷いた。
そもそも霊を視るのには、何か手順や条件が必要なのだろうか。なんて考えを浮かべる傍ら。
真に霊を視れるといえる稀有な存在は、自分の本当にすぐ近くに存在する事など、毛先程も思わなかった**]