神父 ジムゾン

　　――　教会　――

[朝食を終え、教会へと足を運んだ。
宿や道中で行き会う者があったなら、
話をすることもあったかもしれないが、
しなければいけないことは決まっていて、
出来るだけ早く情報を手に入れるべきだと思った。

フリーデルは、そのとき同行していたか。
もし何か用事があったり、他のものと話すようなら、
それを待ってから教会に向かっただろうけれど。

嵐の夜から一夜明け、
教会の入り口には、吹き飛ばされてきた木の枝が、
所在なさげに引っかかってはいるものの。
空模様は、まるで昨日の嵐が嘘のような、
爽やかなものだった。>329]


　　さて、どっから探せばいい？
　　墓――ああ、鍵が要る方か？
　

[まずは、場所を知っているフリーデルに任せよう。
鍵は必要があれば預けているから、
今もフリーデルが持っているかもしれないけれど。]*