― ハールト奪還開戦時/ファットリア地方渓谷付近 ―
[大隊を率いた男は数日をかけて合流地点の手前までやってくる。
別行動で情報収集をしていた一族の者からハールト奪還の戦いが開始されたと聞いたのはその辺りのこと]
それじゃあ、王子も平原に着いている頃かな。
遅刻はせずに済みそうだ。
[連絡を密にはしていなかったため、遅れることは覚悟していたが、どうやら然程誤差なく辿り着くことが出来たらしい]
一旦停止。
この先は戦火が広がっている可能性があるから、
十分な準備をしてから進もう。
[隊を止め、移動の疲れを取るために一時休息を入れる。
岩山沿いを進んでいるとは言え、この辺りは身を隠す場所が少ない。
人数もそれなりに居るため、魔軍と鉢合わせる可能性は高かったが、疲労したまま進むよりは、と判断した]