[その時、誰もいないはずの蒼い世界に人の気配を感じた。
自分と同じように彼らを見守っている誰か。
女神のように優しい声で祝福を唱えている]
一体……どなたが……。
[聞き覚えのない声だった。
戸惑っていると、その気配はだんだんと近寄ってきて、
目の前に姿をあらわす。
美しい金髪を短く切り揃えた、可愛らしい女性。
年のころは自分より少しほど少ないだろうか。
声だけではなくその容姿もまさに花盛りの女神といった風情だった。
同姓ながら暫し見蕩れていると、思いがけないことが起こった。
彼女が知らないはずの自分の名前を呼ぶ]