ラト、おはよう――[目が覚めたとき、女王の幻影は姿が変わっていた。 纏うのは覇道を示す軍服ではなく――薔薇のレースを編みこんだ薄く透けかねないほどの白が、照らす陽光によって微かに紅く色付いた暁のドレス。 女王の魂は覇道を失い、代わりに自分の片割れとより強固に結びついたことでその幻影も移り変わった。 やわらかく声をかけ微笑んで――互いの生を確認しあった。]