『あと、弟もいる』
[俺とお揃いじゃんなんて返せば、数が違うと苦笑され。]
『妹はリア。弟は、国が違えば同じ名前になるんだ』
[国によってはリシャール、国によってはリヒャルト。
親の洒落によって、それぞれ違う国の同じ名前をつけられたのだが、俺には意味が判らず。
首を傾げながらも、凄く楽しそうにそうして静かに笑うリシャールの姿に満足して、そうして縫い物を再開させた。
妹や弟にピローケースでもどうだと勧めたが、手を見ろと白い手袋が嵌っているのをかざれ。
そっかと、苦笑を返したいつかの冬の日]
[そんな冬の日、友人に勧めた様に、コンラートにも。
奪うことしか出来ない手なんて淋しいだろうから。何か作ることを勧めてみようかと、非常時にぼんやりと考えてしまっていた*]