[闇の破片が散る中、魔王は数歩を進み出た。 常ならば、当然の役割を果たした者に特別な賛辞を与えることはない。 だが、獰猛なる魔獣の振る舞いは、魔王の興を存分に満たした] ――よくやった。[そう、労いを向ける程度には][或いはそれは、これまでの戦いが齎した、魔王の変化の兆しであったかもしれないが――*]