……無意に死ぬ気はない。生きているうちは、生きるのが道理だろう。[記憶があった時には、何が何でも生き残ってみせるという強い意志があったが、それらをすべて失った今、生への執着はどこか薄かった。柄にかけた手をはなす。そうすることで、しばらく付き合えとの相手の言葉に、同意する意志を示した。]