[――ひとつだけ異なったのは。 あのときは、至りに来た。 今は、はじめから居て、支えとなった。 覇気を全て使いきり、空になった女王の魂は。 そのままこの世界に溶け込んでしまおうとする終端のシナリオに反して、新たなものを注ぎ込まれた。 いつかのように。 いつものように。 ――それは、続きがあることを。 死は終端ではないことを、覚えていた。 今の女王の生は――あのときあの場所で、自分の片割れと共に死んでから始まったのだから。]