旅人 ニコラス

先ほどシモンさんが情報を出せと言われて、霊聴の耳だと声を上げたのでしょう？　あれを言い出すのは、とても勇気が必要だったと思います。

ですから、僕はまずそれを労います。本当にお疲れさまでした。改めて、情報提供ありがとうございます。

[それは未だに勇気の出せない自分にはできないことだから。カタリナには本気で感服していた。]

あのときいろいろな話が一気に出て、正直まだ混乱しているものですから、あなたがいわゆる霊能者かどうか、冷静に判断できる自信がありません。ごめんなさい。

[まだ真偽を考えられる段階にすら至ってないのだと正直に告げた。]

でも、ゲルトを探しに行った僕を追ってくれた優しいカタリナさんを放っておけなくてここまで来ました。話はこれで終わりです。リーザを探しに来たのでしょう？　では僕はこれで。

[お嬢さんではなくカタリナと名前で呼び掛けたことを意識しないまま、立ち去ろうとした。*]