神父 ジムゾン

[　どっこい、それは思いませんでした。


例えその苦しみを、理解することが出来なかったとしても、
死なせなかった理由は、
苦しもの深さを侮るがゆえではない。

どれだけ暴れようと、壊れようと、
死を望もうと、狂おうと、
それでも『生きている』なら、
『生かす』し『守る』。

それがもし、望まぬことであったとしても。
出来ることの少なさに歯噛みして、
抵抗されての傷に、いっそ安堵を覚えても。
それでも、生きる者は生かす、ただそれだけだった。

だから、最初から今に至るまで、己の話し方も接し方も、
　
　『何一つ変わってはいない』。

寝台で眠っている病人の傍らで、
物思うようにじっと、
座っているようなときはあったとしても。]