――――…!
閣下に在らせられましてはご機嫌麗しゅう…
[サササ、と壁際まで退き、首を垂れる。
顔を上げるのは恐らくは許されないと思ったゆえと…――
エルフゆずりの金髪は、中々に珍しい淡い色であるために、記憶の一旦に残る、そう思われた為である。]
やや、ファミルめのお名前までご存じとは、
流石の御晴眼、感服いたしました。
……小隊、ですか。
聊か、身に余る光栄に御座います、ええ、
ファミルめには、数匹の使い魔を当てて頂ければ十分でございます。
[深々と頭を下げたまま、声だけは張ってみせたものの。
つまりこれは、忠告、だろう。
鼻につく動きをすれば殺す、そういう意味だ…――と、ファミルは考える。]