― あかい色の向こうの想い出 ―[まだ幼い頃。ちょっとした事で幼馴染とケンカになって飛び出して。そのまま迷子になって、おまけに雨に降られた。帰り道がわからないまま、木の下で雨が止むのを待っていたら、ケンカした当人が捜しに来てくれた──までは良かったけれど、そこで発生したのは二重遭難。……結局、雨が止むまで二人で一緒にそこにいて。やがて、雨があがった時に見えたのは──空に架かる、鮮やかなアーチ]