― 風花の村・入口 ―[足はあるが重力を感じぬこの身に地面を歩く事の意味は無い。しかし生前を習って行動するのは生き物の性ではあった]あと一歩という所で占い師と人狼にしてやられたが、まあいいさこうして旅をしている分には何も変わらないからな[――新緑の村は人狼の手によって滅ぼされた。噂は尾鰭を伴ってどうとでも解釈されているやも知れない。なにせ残った村人は居ないのと、残るは無残な死骸のみ。村を滅した人狼は既に新緑の村を離れ、今はどこを彷徨いているのか、男にとっても知れた事ではない]