あなたの素性や過去を暴こうと言う気はありません。
ただ、提案がひとつあるのです。
ダーフィト・アッカーマン殿、あなたの腕は在野に捨て置くには惜しい。
ギンセイ王国に士官する気はありませんか?
[ 真顔で告げてから、男は一転苦笑を浮かべる。 ]
......と、急に言われても、怪しいだけですね。
ですが、ギンセイ王国、北部師団副師団長として、これは本気の
この調査の間に、出来れば御検討いただきたい。
[ 口止めをするつもりが、こんな形になったのは、多分、ダーフィトという男の中に、覚えのある喪失の影を見たからだった。* ]