遠くには、中々いけないけれど。
雨上がりとか、天気雨の時とか、歩くの好きだから……。
えと、あの。
……虹、見れるかな、って。
[言ってから、ちょっと決まり悪そうに括った髪を掴んで弄る]
理由は、わかんないけど。
いきたいな、って、思うから。
……虹の、向こうがわ。
[何故そう思うのかはわからない。
多分、その理由は、あかい色の向こう側にあるものだから、見る事もできない。
だから、説明なんてできないけれど。
しっかり根付いている想いだけははっきりという事ができるから、それを告げた。
多分それが、虹への想いを他者に語った唯一の出来事。*]