……やっぱりあんたたちが出て来たのね。 事情を説明するヒマはないから簡潔に言うけど。 これから、あれを退治するわ。[こちらに向かって来るのは火蜥蜴、もちろんセルベシアに居るシロモノではない。 異形の襲来に恐れおののくのは、モヒカン頭の手下たちではなく――何の強さも身につけていない、最低限の武装を用意されただけのふつうの民衆。 王子とともに立ち上がった、あの頃の光景のように。 彼女は、決戦に際し彼らが出て来るのはどこか感じ取っていた]