―道具袋の中身のひとつ―[大天使の遣いだとして工房を訪れたその天使は、自身の事をジェフロイと名乗った。結局、用件自体は大した事では無く(嘘なのだから当然か)一言二言言葉を交わすだけで終わった。問題は此処からだ。用事が終わればそれきりだろうと思っていたら、ジェフロイはその後何度も工房を訪れた。その時点で怪しんで居てもおかしくは無かっただろうに、何かとオズワルドの創作物に向ける視線が気に掛かり、咎められずに居た訳だ。]