― 回想:戦場 ―『…他の奴ら引き連れて…』[死の予感に落ちかけていた意識が、冷水を浴びせられたように覚醒する。鞍から半身を起こし、周囲に目を向ければ、支えを失い、退却の機会も失いかけている友軍の姿…多くは彼より年下の、彼がここまでひきずってきてしまった者達だ]ロ…[行け、と言ったきり、こちらを振り向くこともない傭兵に>>276再びかけようとした声を飲み込み、彼は、渾身の力を振り絞り、馬上に身を起こすと、左腕一本で、ツヴァイヘンダーを頭上に掲げた]