[ いや。余計なことは考えない方がいい。淡々と任務をこなす事だ。どれほど苦しんでも、自分の力ではどうにもならない事もある。今は、そう、任務を――。この士官用馬車の中に居る人を……護ること。それだけを考えながら馬を進める。何事もなく帝国前進拠点に着けば、心底ホッとした表情を見せることだろう。護るべき人――、馬車の中にいたその人は降りてきて、礼の言葉を述べる。>>294隻眼の英雄の鷹の目、という表現には、やや表情を変えて。 ]