――通信石ですか。帝国に、片割れが…?[美しい薔薇色をした石を眺め、僅かに首をかしげて尋ねる]………。片割れを持っていたのは、もしやリエヴル・ド・トゥーレーヌでしょうか。[もしその理由を尋ねられれば、軽く瞬きして笑い]――ああ、いいえ。思い付きです。こちらの前線最高指揮官が所持していたことと――今のお言葉ですと、帝国に潜入した者が所持しているにしては、切り札として扱いが大きいようでしたので。敵幹部、或いは戦死した准将とのホットラインであった可能性を考えました。