[友の亡骸を運んだあの時。本当は、自分でもわかっていたのかもしれない。彼はもう、助からないと。自分の目の前で、砲弾を受けたのだ。着弾と同時に火薬が弾け、自らもまた衝撃を右頬と右肩に受けた。あたりに漂う嗅ぎ慣れた火薬の匂いと、焦げる匂いと、――――濃厚な、血の臭い。友の身体を担ぎ揚げた時には、もう、ピクリとも反応はしなかった。]