[村のベンチに座り込んでぼんやりと物思いにふけっていると、空から声が降ってきた。] あ。ハンス。 …え?[いきなりの宣言に驚いて目を瞬かせ、それから、うんうんと頷く。] 船を任されたのなら、もう船長じゃないか。 ハンスならなれるよ。 きっと、立派な船乗りにね。 ───私みたいな船乗りになったらきっと、 乗組員のみんなに「もっと働け」って怒られるから、 やめておいたほうがいいよ。[くすり、と笑ってから]