[1番最初に手を出したのが煙草だったせいかなあ。
くそみたいに甘ったるいはずなのに、すっげえ苦く感じるの。
何度も止めようと思ったんだけど。
いつの間にか、もう戻れねえとこまで来てた。
煙草の味、本当に嫌いなんだよ。
甘くて、苦くて、寂しくて。
どんなに吸っても満たされない。
どこか乾いてる煙で、視界を遮って。
覗いちゃいけねえ向こう側を隠そうとしてる。
最近じゃあ、焦りや苛つきみたいな感情を誤魔化すために吸うことが多くなって>>142。
他の奴が酒で飲み下すことを>>0:60、俺は甘い煙で誤魔化して隠して。
せめて、死んだ後で再会できるように。
――あいつの望んだ、海に還れるように。
清くあろうと、まだ、生きていて。]