― 陸戦場・上空 ―[感じ取った火の気配、それを放つものの思うことは知らず]……なんにせよ。竜に気づいてほっとくわけにゃあ、いかねぇよな……![空舞うものに相対するのは、同じく空にあるものだから。そんな思いと共に感じた気配へ向けて空を翔け──ある程度、距離を詰めたところで、褐色を止めた。記憶にある姿とは、異なる所もある。けれど、あの時焼きついた緋色共々、見間違えるほどでは、ない]……暁紅の騎竜師……。[小さく、呟く。首から提げた『お守り』が、微か、揺れた]