― 夕暮れ時・カレン東の平原 ―
[先陣務める騎兵隊、取り分け、常に一番槍を務める隊の熱気は常より高いもの]
……相変わらず、数の厚みは向こうが上、か。
[近づく敵陣、その数に過るのは砦の戦い。
予め聞き及んでいた数と、実際の数の差。
それが引き起こした動揺を鎮めきれず、結果、浮足立った隙を突かれたのは苦い記憶]
とはいえ……それを理由に怖気づくヤツは、いないな?
[冗談めかした口調で問えば、勿論です、と声が返る。
再編成によりペンホールズから加わった者たちも、熱気の伝播故か、そこを恐れる様子は見えない]