―回想―
[暖かな日々が流れていた。
――時が過ぎる事すら、忘れてしまいそうな。
己の為に食事を、菓子を、試行錯誤しながら作り上げてくれる彼。
毎日は楽しい。
信じられないほど。
少し食事を抜いたような日は、ダーフィトが抱きついてくるのが常だった。
ふざけてじゃれるようなその抱擁は、肉の落ちやすい自分の体調を、気遣うためのものだと知っている。]
さすがにいきなりそんなには…、……俺の燃費の悪さは確かだが、お前は心配性すぎるぞ?
[偶に文句を言って、そうして窘められて。
そんな筈はと計った筈の体重が、彼の言う通りに減っていたりすると、酷く気恥ずかしい思いをしたものだった。]