− ブラバンド城 −[王がおらずとも、城に相当する建造物はあるらしい。貴族たちの会館のようなものかもしれない。明らかに手の込んだ装飾で飾られた室内に通されたところへ、巫女姫の帰還が告げられる。見送りに出るアレクシスに案内の礼を言い、自分もまた謁見のために身支度を整えることにした。親書を挟んだファイルを脇に挟み、カメラは組み立てて盆に乗せ、クレメンスが遣わした護衛に運んでもらうことにする。姿見に映してみた自分はなかなかの貴公子だ。この国の基準に照らしても、多分。**]