[同じ時刻、この魔法陣とほぼ高さを同じくするカレンの城壁上に、かつての同窓生が立っていることは、鷹ならぬ目では知るよしもない。>>396騎士ではなく、術士として場に臨んだシェットラント。彼が己の名を口にしたことを知ったなら、ベリアンは歪んだ笑みを浮かべるだろう。まるで眼中にないと言われ、ゴブレットを床に叩きつけたあの日から今にいたるまで、シェットラントの存在は心臓に刺さった棘のようなものだった。>>1:279]