―苦い追憶―[ある人の伝手で銀羊船に乗ったのは30年前。女房と結婚したのは29年前。――2人を喪ったのは今から25年前。結婚生活は4年で幕を閉じ。娘は同じだけしか、人生を歩めなかった。あの時俺が傍にいれば。2人は死なずにすんだんじゃ。なあ、お前たちは何を思ってた?怖かったか? 苦しかったか? 俺の名を呼んだか?せめて最後に、どちらかの《聲》を聞いていれば。少しは、楽になれたかも、しれないのに。]