― クリーク砦内部 ―[牙の先を左右に変えながら、動きを読もうと目を凝らす。皆がしていた剣の稽古に似ていたものの、読み易いとは言えない、手練れた動きに翻弄されそうになる。カークに当たるかもという恐怖もあった。迷いに鈍る最中、宙に赤色が飛んだ。]――――[倒れたのは、カーク。喪失へのざわつきに、足の先が冷えた。]