― 近い未来 ― ―――クルースニク開発計画は急には止められない。 春に予算の編成が組まれる、先ずはそこを調整する。[周辺国への抑止力としても機能している使徒開発。執務室にて脚をゆっくりと組む男が、束ねられた羊皮紙を卓上に放って、呼び出した聖剣を見やった。] サイキカルの当主の座は頂く。 なに、親父と兄貴を蹴りだせば、降りてくる。 そちらはそんなに難しい話ではない。[腕を失おうと傲岸不遜な男は変わらなかった。寧ろ、目的を明確なものに変えて、瞳は炯炯と輝いていた。]