[村に住み着いて数年。とはいえ、片手で足りる程度の年数のような気もする。それでもそれなりに村での生活も慣れてきた。正直な話、保護された当時のことはよく覚えていない。血の匂いで騒いでいた獣たちのおかげで発見された>>79。村長は本人の血だと思ったらしいが、実際どうだったか。記憶は曖昧だ。ただ、あの時発見されていなければ此処にいなかった。それは明確な事実だ。]