[ 疑わしく見える理由、それは偏に"疑わしい"からだった。隠すように、向けられた掌に、ナネッテは船医の話を思い出す。"サンストーンは人肌の熱を放っている。"そう聞けば、少し触ってみたいと思ったこともあったのだったか。>>378くるり、ひっくり返されたその手に、触れることは叶わないが。人の心を安らげる温度。それはまるで柔らかな、太陽の光そのもの。青い炎に呑み込まれれば、太陽が泣いてしまったならば。心の温かさも遠ざかってしまう。>>378 ]