[そんな記憶を思い出しながら、合わさったのは、困ったような空色の目。
警備に差し支えるから、それでいいという彼>>190は、明らかに嘘をついていて……。
(ごめんね、カレル。わざとなの。)
強目に調合するのは簡単だ。
効き目の強いものを、たくさん使えばそれだけ効果が出る。
……でも当然身体にも負担がかかるし、それに……慣れたら……また眠れなくなってしまうだろう。
だから、何も分からないふりをして、にこりと笑うのだ。]
ええ、期待に添えるように頑張るわね。
[肝は、調合のバランスだ。
睡眠薬ではいけない、けれど気休めでもいけない。
ちょうどギリギリのラインを……調合する、してみせる。
あの少女には何も出来なかったけれど。
今度は、出来るだろうか。
同じような空色の目を持つ彼を、夢など見ずに、もしくは幸せな夢をみせて……眠らせることが。
離れる彼には手を振りながら……そんなことを考えていた。**]