[そう、それが例え――…音の主だとしても。
存在の露見に繋がるおそれがあるのだから、頼るわけにもいかないと――…
手伝いを申し出るものがあったのなら、その言葉に甘えるだろうけれど、そんな汚れ役を引き受けてくれるものがあるのだろうか。
毒など、誰かを殺すための道具など、医者が譲ってくれるだろうか]
……はぁ
[一人で抱え込み、その場に腰を下ろして顔を伏せると、一気に感情が吹き出したのだろう。
部屋は暖かいというのに――…体はカタカタと震え、胃の中のものが逆流しそうになるのをぐっと堪えると、今度は目が熱くなる]