[ウェルシュは手際よく船大工を始めとするギルドの面々に指示を出す。突然の注文に部下たちはウェルシュに文句を言ったけれども、忠実に従ってくれる。
『坊ちゃんのためならしゃーねぇなぁ』]
すいません、……でもありがとう。
本当、助かるよ。
[領主は、相変わらず腰が低い。
先代のように優秀なリーダーではないけれども、しかしそれがウェルシュのやり方だった。
タクマはそんな領主をどんな風に見ていただろうか。
>>353 何処か思い耽っている彼に目を配す。
彼が何か考え込んでいる間は、此方も特に話しかけず。
タクマが此方の視線に気が付いたときに、漸く話しかける。]
多分、日付が変わる前には出発できると思うよ。
まだ少し時間がかかるから……
その間だけでも待っていて欲しいな。
急いできてくれたのに、ごめんね。