ならず者 ディーター

［若々しく見えるその姿を思わず顔で追いかけて。自身の前を歩く責任者に］

彼女は？

［と声をかけたなら。外から来た機械技師だと教えてもらえただろうか。］

なるほど。
彼女さえ良ければ、後程はなしを伺いたいのですが。

［責任者はいいですよ、と返してくれただろうが、果たして彼女本人はどうだっただろうか。
一見して若く見えるが、どうだろう。若くして才能ある女性なのか、それとも若く見える長命種か。どちらにせよ、知識が得られそうだと思う。
陛下の知らない技術を持って帰れば、きっと重宝してくださるだろうし、褒めてもいただけるだろう。私を掬った”神様”のお役に立てるかもしれない。
なにより、国王陛下は義肢であるからして、その改善にもなるやもしれない。

そんなことを考えながら。］