―公国首都・国立病院―『……もう、行かなければ』[眠る息子の傍らに妻を残し、トライブクラフト伯は病室を後にした。帝国との戦いが激化の一途を辿る今も、和平の道を捨ててはいない。まだできることはある。しなければならないことがある。護衛と共に馬車に乗り込んだとき、病院の門をくぐる青年の姿が見えた>>213ディーク・フォン・ベルンシュタイン大佐。盟友たるベルンシュタイン大佐の末の子息で、ステファンの友人。帝国との最前線、シュヴァルベへ赴くのだと聞いている]