―フリカデル島/奔る海馬亭―[大きく力強い右腕>>374が、こちらへと伸ばされる。この腕で、彼は、ウルケルを――他の国々を、幾つも護ってきたのだろう。今回相対してみてよく分かった。ウルケルの芯たる場所にいる、魂の錨のような彼の存在を。 ひとは、心に掲げるもので、その力が変わるという。帝国が太陽《アレクトール》を掲げるならば、ウルケルはそう、…海《ゲオルグ》を掲げているのだろう。懐深く、力強く、多くの支えとなり――共にある、このウルケルの海そのもののような彼を。]