― まどろみにてお別れ ―
[うんうんと、ヤコブと手を繋ぐローズマリーにうんうんと頷くのである]
[そして、友の送る歌を聴いて何か震えるアード。
ぽんぽんと兄貴の肩を叩くが、同じく震えているアラン。
あの、まるでにこりともしなかった朴念仁の友が歌っている。
ホートン砦にそれは何度も歌を歌ったりいろいろしたが、だいたい隅っこで聞いているだけだった友が、自ら歌っている。
これは二人にとってリエヴル・リンドブルムという人間について定義を更新しなければならない程度に衝撃だったようだ]
[終わるまで笑わないように必死にこらえて、それから、涙を流して大笑いする]
まさか、まさか、まさか、なぁ
「ご、ごめん……悪気はないけれど、おかしくて」
[ひーひーしてしまうのであった]