[ 壁に指を這わせて、 鋭い爪痕と血液である文字列を書き出したら 赤く濡れた服を誰かに見とがめられないうちに 音も立てず貨物室の扉を開けて廊下へ飛び出した。 広がりゆく血の海はやがてメイン・サロンへも その匂いを届かせるかもしれないが その頃にはどこにも犯人の姿はないだろう。 ] 『Good Night, And Have A Nice Dream《おやすみなさい、そして、素晴らしい夢を見てください。》』[ 遺されているのは赤い色で綴られたメッセージだけ。* ]