[添えつけられた数式塗れの紙片を解読したならば、それが致死性毒である事はわかるのだけれど――…問題は、それが三粒ほどしか残っていないという事だ。これを使いきってしまったのならば、残る道具はナイフしかない。男は恵みを得るべく死んだ動物を捌くぐらいはできるものの、直接的に何かに手を下した経験がないのだ。苦痛を伴わない死なぞ提供できるとは思えずに。ならば他者に頼めばいいのだが――…それをできるような人間ならば、期間限定引き篭もりになどなっていない]