[むーっとむつかしい顔をして少女はハチミツを睨む。別の部屋からうんしょと椅子を運んで来る。棚の前に椅子を置き、その椅子の上に乗って今度こそハチミツの瓶を手に入れようとして、果たして、キッチンへやって来た神父とどちらが早かっただろう。>>331お湯が湧いたら茶葉を入れてやる。キッチンを包むのは幸せの香り。少女は両親を知らず迎えにくる誰かも居なかったが、それでも。ジムゾンとふたり、あたたかいお茶とホットミルクの準備を済ませれば、羊飼いが待つ居間にでも向っただろうか。**]